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若者の車離れ

若者の車離れ
始めに

若者の車離れと言われるようになってから、凡そ十数年が経ちます。そもそも車離れという単語は、若者が車に興味を持たなくなったということを指すのでしょうか。それとも、何か他に明確な理由があるのでしょうか。

車両自体の性能が上がり、全体的に乗り換えの回数が減っていることや、公共交通機関が発達して交通の便が良いために、車を持つ必要がない東京などの都会に若者が多く集まっていることも関係していると想像ができます。特に都市圏では、車を所有する合理的な理由は少なく、若者に限らずとも同じような意見を持つ人々は増えています。

実際のところ、若者は車についてどのような意識を持っているのでしょうか。この記事では、若者の車離れについて考えていきたいと思います。

そもそも車離れとは?

若者の車離れとは、主に21世紀以降において、若年層が四輪自動車を所有しようとしない、または、車そのものに興味を示さなくなるという社会的傾向を意味する言葉です。自動車に乗る機会が減ることや、車の所有者が以前に比べて減少していることから生まれた言葉です。

それでは、若者が車離れしている原因は何があるのでしょうか?いくつかの視点から見ていきたいと思います。

若年層の購買力の低下

若年層の雇用不安、いわゆる就職氷河期や、終身雇用の崩壊による非正規労働者数の増大などにより、未だ雇用に対する不安はこの日本に慢性的に存在しています。もちろん、それらが大幅に緩和された年もありますが、その影響で正社員の給与も低下したことや、非正規雇用は低賃金労働が推進されたため、低所得者は横ばい傾向にあります。その結果、個人単位の可処分所得が減少傾向となり、車を購入することができない状況の若者が多くでてくるといった結果に繋がっていると考えられます

車両や維持費の高額化

働き方が多様化したことも影響し、経済的に余裕がないといった声も多く聞かれます。月々のローンの他、自動車税や重量税、ガソリン費、駐車場代、自動車保険など、車を所有することでかかる費用は様々存在しています。

さらに、衝突安全基準が厳格化されたことに伴う車体側の構造強化といった、一台当たりの生産コストが上昇せざるを得ないといったように、自動車メーカー側の問題も理由となっています。エアバッグやカーナビなど、かつては選択式の装備の装着が事実上標準化したことや、自動ブレーキや車間距離レーダーといった安全装置の標準装備が義務付けられるようになったことに伴い、その分だけ車両の販売コストが上昇しているという見方もあります。           これらの自家用車の購入費用及び維持費を考慮すると、自転車や原動機付自転車、カーリース、レンタカー、カーシェアリングを利用した方が安上がりだという結果になることが考えられます。

移動手段の発達

東京の中心部など都市圏に在住していると、公共交通機関が充分に発達していることにより、車を所有する必要がないといった声も多く聞かれます。つまり、ライフスタイル自体が変化しているのです。

また、最近では、カーシェアリングなどの車を好きな時に自由に使用できるサービスなどが充実しつつあります。比較的廉価な料金で、自動車が気軽に利用ができる環境が整備され始めました。こういった社会全体の流れが、自身の車を所有する機会が減ってきていることに繋がっていると分析できるのではないでしょうか。

趣味の多様化

車以外の物への関心が高まったことも一つの理由として考えられます。スマートフォンやパソコンなどの通信機器、ゲーム機、その他にも鉄道や航空機、二輪車、自転車など、時代の変化と共に自動車以外の趣味が多様化していることも、背景として考えられるのではないでしょうか。

また、事故が怖いという意見や、自動車免許を取得してから全く運転をしていないというペーパードライバーという理由も少なからずあるようです。

車を持つことのメリット

都市圏においては、車を持たずとも生きていける世の中になりつつあるこの日本。そんな中でも車を所有するメリットとは、一体何があるのでしょうか。

自家用車を持つことのメリットを一言で表すならば、いわゆる「生活の質の向上」です。

車はご自身の一つの移動手段ですので、気軽に外出をすることができるようになります。公共交通機関ではアクセスしづらい場所へ行くこともできますし、気候に関係なく快適に移動が出来ます。また、大きな買い物も気兼ねせずにすることができますし、キャンプやウィンタースポーツなど、遊びやレジャーなどの趣味の幅が広がります。

さらに、子どもや家族が怪我をしたり体調を崩したりといった、緊急時に足があるという点は、非常に大きなメリットといえるでしょう。

最後に

いかがでしたか?公共交通機関の発達した都市圏に在住している若者が車を所有することの必要性は少ないですが、少なくとも地方に在住している若者は、車の必要性を感じている人は一定数存在していると考えられます。しかし、経済的な理由から、車を持ちたくても持てないという人が多いのが実情なのです。

車を持つことで移動範囲が広がるということは、結果として生活の質の向上に繋がります。もう少しリーズナブルに車を所有できるような社会の動きが必要なのかもしれません。

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